段ボールの【強さ】
強さにも種類がある
お客様と話をしていると、「こういう製品を入れるのですが、これぐらいの強さで大丈夫でしょうか?」といったご質問を頂くことがあります。
ダンボール箱は中の製品をしっかりとお守りしてナンボですから、十分な強さがあるかどうかを気にされるのは当然の事でしょう。
ただ、一口に「強さ」と言っても色々な種類があるのです。少し細かく、また少々マニアックな話になりますが、今回はそんなダンボールの強さについてご説明してみたいと思います。
一番求められる強さは?
ダンボール箱に一番求められる強さとは、ずばり「上から圧力をかけた時にどこまで耐えられるか」です。
例にあげたお客様のご質問のような場合、99%この強さのことを聞かれています。
専門的には【垂直圧縮強度】、あるいは【箱圧縮強度】といいます。
ダンボールにおいては一番重要な強度ですので、箱だけでなくシート、あるいは原紙の状態でもこの数値は測定します。また使用する原紙の強度から箱の強度を算出する計算式についても昔から研究が続けられています。
それ以外の強さは?
中の製品を保護するためには上からの圧力にだけ耐えられればいいわけではありません。
例えば横から何かがぶつかった時に、簡単に破れるようでは困ります。
横から、つまりダンボールの「面」への圧力に対する強さを【平面圧縮強度】と言います。
平面圧縮強度は測定は簡単なのですが、「面」に対して「面」で、しかもゆっくりと均一に力を加えた時に、どれぐらいの力でつぶれるか、を測定するので実際に輸送している時の破れにくさを測るのにはあまり実用的ではありません。
もう少し実用的なのが、【破裂強度】で、こちらは段ボールの面に当てたゴム膜を膨らませて、どれだけの力をかければ破れるか、という測り方をします。
また【衝撃穴あけ試験】という測定方法もあります。
これはピラミッド型をした治具を振り子のように段ボールの面にぶつけて、どれだけの力で破れるかを測定する試験です。
実際の輸送中の状況を考えると、この試験方法で破れにくさを測るのが一番実用的でしょうね。
結局、垂直圧縮強度?
他にも段ボールの強さを測る数字や試験方法は色々あるのですが、正直な所、垂直圧縮強度が高い材質は他の強度も同じように高いので、「段ボールの強さ≒垂直圧縮強度」と考えてもほとんどの場合は差し支えありません。
ただ、中の製品や輸送条件等によっては例外も有り得ますので、段ボール屋さんにご相談される際は細かく条件を伝えられることをお勧めします。