ダンボール原紙について
原紙には大きく分けて2種類ある
ダンボールの材料は言うまでもなく紙です。「ダンボール原紙」と言います。原紙は表裏に使われる【ライナー】と、その間に挟まれて波状に成形される【中芯】があります。とくに強度を必要としないパットなどでは、表裏にライナーの代わりに中芯用の原紙を使うこともありますが、中芯の代わりにライナー原紙を使うことは基本的にありません。
ライナーのグレードについて
ライナーも【Cライナー】と【Kライナー】の2種類のグレードに分かれます。Cライナーは100%再生故紙を使っており、Kライナーには再生故紙とヴァージンパルプ、つまり木材から加工された材料が使われています。
ヴァージンパルプを使っている分、Kライナーの方が強く、使用量で見るとKライナーの方が主流ですね。
昔はKライナーは茶色っぽく、Cライナーは白っぽいと見た目で区別がついたのですが、最近はその差があまりなくなって、見分けがつきにくくなってきています。
ちなみにCライナーより安いDライナーというのも以前はあったのですが、最近はほとんど使われなくなっています。
中芯のお話
中芯も大きく二つに分かれます。【普通芯】と【強化芯】です。当然強化芯の方が強いのですが、何をどうやって「強化」しているのでしょうか。ダンボール原紙というのは1枚の紙に見えますが、実は4層になっています。普通に使っている分にはそうそう剥がれたりするようなことは無いのですが、中芯は何と言ってもダンボールの最大の特徴である波型に成形されます。この時に層と層の間で剥がれてしまう「層間剝離」という現象が起きてしまいます。この層間剝離を防ぐために薬品処理をしてはがれにくくしているのです。
原紙のグレードを決めるのは?
ダンボール原紙はKライナー、Cライナー、普通芯、強化芯の4つに分類されるとご説明してきました。ですが、この中にさらにいくつかのグレードが存在します。それを決めるのはズバリ、紙の重さなのです。
紙の1㎡あたりの重量を【坪量】、あるいは【米坪】といいます。ダンボール業界では(弊社も含めて)「坪量」と呼ぶ方が一般的だと思いますが、これはダンボール原紙だけでなく、それ以外の板紙でも材料のグレードを決める重要な要素となっています。
原紙のグレードは何種類?
原紙のグレードは坪量で決まる、と言っても1g単位で自由に選べるわけではありません。製紙メーカーさんもそんなにたくさんの種類の原紙を作っていたら大変ですから。
現在、日本国内で一般的に使われているのはKライナー3種類、Cライナー1種類、普通芯3種類、強化芯2種類ぐらいだと思います。
もっとも最近はダンボール業界にも軽量化の動きがありまして、軽い方の紙の種類が増えてきています。ちなみにダンボール原紙の軽量化に業界の先頭を切って動いたのは弊社でして、これは弊社の自慢の一つです。